発売前、ゲーマー達から酷評の嵐だったニンテンドースイッチ。発売から1週間経ったのでそろそろハードとしての評価をしてみたいと思います。
いきなり結論から書きますがこのニンテンドースイッチ、地味です。とにかく地味!
絶賛はできないけれど酷評する程でもない。
任天堂とは思えない程の地味なハード!どちらかと言うと良い意味で。
発売前の印象
発売前の時点での私の感想は、おそらく他のゲーマーさんと同じであろう「ガッカリハード」でした。
↓発売前に書いた記事です。
率直に言うと「クソハード」だと思っていたのです。
WiiリモコンやVRのような新しさはなく、大して望まれていないであろう謎のコンセプト「外に持ち出せる据置機」。そのコンセプトから生まれたスマホとの類似性問題。コントローラーの微妙機能。
「これは間違いなくWiiU以下のクソハードであろう。」
これが発売前に私が思っていたことです。
”地味”の種類
冒頭でこのスイッチを「地味ハード」と表現しました。
ここで言う”地味”には2種類の意味があります。
・地味に良い。
・地味に悪い。
これからスイッチの良い点や悪い点を書いていきますが、最後まで読んでいただけたら何故私が地味と表現したかが分かると思います。
実際に使ってみて
良い点
両手をダラーンと:コントローラーの形状変化
通常のコントローラーはこう使います。
これを分離させてこのように使うことができます。
「だから?」って思いますでしょう?私も思ってました。
しかし使ってみると、これが”地味に良い”んです。
完全に両手をダラーンと下ろした状態でもプレイできるし、机の上に両肘をついてプレイすることもできます。
私は今まで膝の上にクッションを置いて、その上に両手を置きコントローラーを持っていました。こうすると肩の力が抜けるんです。
このように、皆さんやり方は違えどこのようにプレイしやすいように無意識のうちに工夫していませんか?
そのプレイしやすい環境作りをもう一段階引き上げるのがこのスイッチです。
どうですか、地味でしょう?
「なくてもいい、でもあったほうがちょっとだけ良い。」ニンテンドースイッチはこのように感じることが多いのです。
寝っ転がって:据置機→携帯機への形状変化
今回のニンテンドースイッチで売りのコンセプト「持ち運べる据置機」。
家から持ち出したスイッチを車内で広げるサラリーマン。
私はこれを見て「実際こんなことできないよ・・・」と思いました。大人になると外でゲームしずらいものです。ですので、この機能については子供や学生のためのものだと思っていました。
しかし!実際に使ってみると大人の私にも恩恵があったのです!
それは家の中での持ち運びです。
例えば、従来の私のゲームライフ
・寝る前、据置機でゲーム
・1時くらいになったら電源切ってベッドに入って横になる
・でもなかなか寝付けない。ゲームの続きしたいけど体起こしたら眠気が遠ざかりそうだから携帯いじる
・いつの間にか眠くなって就寝
こういう流れでした。
しかし、スイッチを持ってこうなりました(赤字が変更点)
・寝る前、スイッチでゲーム
・1時くらいになったら一度は電源切ってベッドに入って横になる
・でもなかなか寝付けない。ゲームの続きしたいけど体起こしたら眠気が遠ざかりそうだからスイッチを携帯機モードにして布団に入ったまま続きをやる
・いつの間にか眠くなって就寝
これが”地味に幸せ”です。
今まで寝付けない時はスマホいじったり3DSやったりしてました。でもスイッチでは据置機クォリティのゲームが寝っ転がってできるのです。
ベランダでコーヒー飲みながら、なんて優雅なこともできます。
このように、任天堂が推している「外へ持ち運べる」というのは私にとって何らメリットではなかったのですが、「家の中でも持ち運べる」というのは地味に良いものでした。
サクサク動作:ホーム機能
WiiUにしても3DSにしても今までなんとなーく「もっさり感」のあったホーム。特にネット通信するNintendo eShopやMiiverseはそれはそれはひどい重さでした。
特にMiiverse。
起動まで時間がかかり、ゲームプレイから投稿までのテンポが非常に悪いものでした。
スイッチではMiiverseは廃止になり、PS4と同様にツイッターやFacebookでシェアできるようになりました。(現時点では画像のみ対応ですが)
そのシェアの動作がかなりサクサクしています。
撮った画像へのアクセスや、設定メニューへのアクセスも軽いです。
ブラウザは廃止されましたが、ゲームニュースという機能(ページ)が追加され任天堂製品の情報がネット記事を見る感覚で閲覧できます。これもサクサクした動作です。
これも”地味に良い”点です。
カセットが苦い→子供の誤飲防止
発売当日、「スイッチのカセットを舐めたらすごく苦かった」というのがネットニュースやSNSで話題になりました。
私は当初、ふざけたYoutuberが話題を集めるために舐めたりしてるだけかと思っていました。しかし、実際は意味があるもので「子供の誤飲防止」だそうです。
幼児くらい小さいと、何でも口に入れてしまいますよね。
スイッチのロムはかなり小さいので、誤って口に入れてしまう可能性があります。
こういった配慮は任天堂ならではの良いところですね。
悪い点
スタンドを立てると充電できない
スイッチを触って一番最初に感じた不満点です。
上の写真のように背面スタンドを立ててプレイすることもできるのですが、充電端子が下部についているため充電しながらプレイすることはできません。
「外に持ち出す=充電が気になる」というのはスマホやデジカメなど持ち運ぶ家電では真っ先に気になること。
それなのにこの設計はちょっとお粗末だと感じました。
ただ、一人でプレイする分には下の画像のように持って充電しながらのプレイもできるので決定的に悪い点とも言えません。”地味に悪い”のです。
画像”1枚しか”シェアできない
現時点(3月10日時点)ではシェア機能による画像投稿は1度につき1枚のみです。PS4では複数枚可能です。
↑スイッチのシェア(1枚のみ可能)
↑PS4のシェア(複数枚可能)
これが結構不便です。ゲームの体験をシェアする際に、「これが→こうなった」とか複数枚投稿したい場合が多いです。
今後のアップデートで対応されるかは明言されてはいませんが期待したいところです。
動画キャプチャに対応していない
王子に運転させるとこうなる。#FF15 #PS4share pic.twitter.com/RZNGHv9Ko0
— すしまろ@ゼルダ満喫中 (@sushimaro761) 2016年11月12日
※PS4で動画シェアしたものです。
動画キャプチャに対応していないので、当然シェアもできません。
スイッチと一緒にゼルダを買ったのですが、これがゲーム史に名を残すほどの傑作と言える出来でした。それを画像だけでなく動画でシェアできたらスイッチの魅力を存分に伝えることができるのに・・・
こういった「機会の損失」は任天堂にとってももったいないし、存分に楽しさを共有できない私たちにとっても残念な点です。
こちらは後日アップデートで対応されると公式で明言されています。
キーボード入力が使いずらい
一応一般的なパソコン用のキーボードを接続できます。
今の所文字入力をする機会はシェアの時くらいですが、キーボードでの文字入力がちょっとだけやり辛いです。
文章でうまく表現できないのですが、漢字(あるいはカタカナ)変換とエンターキーを連続させると意図しない動作になります。パソコンと同じような感覚で打つことはできず、若干スイッチ用のタイピングをする必要があります。
それでもコントローラー入力よりは確実に楽なので、「地味に悪い」点です。
セーブデータをコピー(バックアップ)できない
現時点ではセーブデータのコピー(バックアップ)ができません。
公式ページで明言されています。
microSDを付けられるのにコピーできないというのはかなり謎です。ではPS4のようにクラウドストレージに保存できるのかというと、それもできません。
そしてパッケージ版でもダウンロード版でもセーブデータは本体ストレージに保存されます。つまり本体が故障した場合、セーブデータの復旧はできません。
これも今後のアップデートに期待するところです。
説明書がない
まぁこれは開封後数ヶ月経てば忘れ去られることでしょうが。
ニンテンドースイッチには説明書がありません。紙っぺら1枚も入っていません。一応箱に書いてあり、詳細は本体の電子説明書を・・・という流れなのですが、一般人に箱をしっかり見るという習慣はなくスルーされがちです。
省エネで時代に沿ってはいると思うのですが、紙1枚でいいから同封していればスムーズだったように思えます。
その電子説明書の内容もスイッチの使い方を知る上でスムーズな導線とは言えない構成でした。
わざわざ悪い点で書くことのほどでもないのですが、Wiiで「子どもからお年寄り」までをコンセプトにしていて実際にその層を獲得したのだから、スイッチでもその層を大切にして分かりやすい説明書を付けるべきだったと感じました。
まとめの感想
自分の記事に対して言うのもなんですが、ここまでどうでもいい内容が多くなかったですか?
そうです。決定的なものがありません。
このスイッチには「めちゃめちゃ良い」「めちゃめちゃ悪い」ものはなく「地味に良い」「地味に悪い」と感じることが多いです。
しかしトータルで考えると「地味に良い」という印象です。
PS4が登場した時のシェア機能や、体験した人がひっくり返ってしまう程の体験をもたらすVR程のインパクトはなくても、無難なグラフィックや操作性は現代のゲーム機としては及第点です。高得点ではなく及第点です。
結局「買い」なのか
決定的な「良い点」も「悪い点」もありません。
動画シェアやVRは今後対応されます。
ありきたりな意見ですが「やりたいソフトがあれば買い」です。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」はゲーム史に名を残すほどの傑作です。しかしゼルダだけならWiiUでもできます。
スイッチでしかできないゲームでやりたいものがあれば買って損はないでしょう。スプラトゥーン2やゼノブレイド2あたりが期待されているソフトですね。
終わりに
1週間触ってみた私の感想です。
実際に触ってみないとその良さに気付きにくいです。そしてその良さもジワジワと時間が経って感じることが多いです。
スルメゲーならぬスルメハードだと思います。
今のところ「スイッチ買ってよかった!!」と言える程ではありませんが、もしかすると「地味に良い」→「結構良い」→「すごい良い」のように評価が変わっていく可能性はあります。
そういった意味で、今後のアップデートやソフトに期待したいと思います。
以上です!
購入を迷っている方や、感想を知りたい方のお役に立てれば幸いです。