いよいよニンテンドースイッチの発売が間近に迫ってきましたね!皆さんはこのスイッチについてどのような印象をお持ちでしょうか?
据置機なのに持ち運びできる!?すごい!
コントローラーが分割できる!?すごい!
コントローラーの振動でコップの中の氷の数までわかっちゃうんだって!?すごい!
こんな感想ですか?
これらの機能、確かにすごいですよね!
発表当初、私もすごい興奮したんです。
ちょっと話しは逸れますが、同じ言葉を何度も繰り返しているとその言葉そのものの意味がわからなくなる瞬間ってありませんか?
その現象、「ゲシュタルト崩壊」って言うそうですよ。
さて、話しを戻して。
発表当初、「スイッチすごい!スゴイ!!SUGOI!!!」と思っていた私。
興奮の最中、ほんの一瞬冷静になってこう思ってしまったのです。
「あれ?”すごい”ってどういう意味だっけ?」
- ”すごい”と”楽しい”は違うんじゃね?!
- おさらい!ニンテンドースイッチってどんなゲーム機なの?
- 据置機モードと携帯機モードへ切り替え
- 画面シェアとコントローラー分割による対戦・協力プレイ
- 持ち寄ってのマルチプレイ
- スイッチが失敗する理由
- 失敗する理由1:スマホとの類似性
- 1.外で
- 2.画面シェアして
- 3.コントローラーを分割して
- 4.マルチで
- 「ちょっと待って!スマホと決定的に違う点があるじゃん!」
- 失敗する理由2:ローンチタイトルに”あれ”がない
- 失敗する理由3:何1つない新しさ。全てが後手では追い越せない。
- シェア、VR。「追いつく」と「追い越こす」は紙一重ではない
- 追いついたとしても・・・
- ”新しいもの”は価値あるものでなければならない
- 終わりに
”すごい”と”楽しい”は違うんじゃね?!
・・・と。
Contents
おさらい!ニンテンドースイッチってどんなゲーム機なの?
テレビ画面でもプレイできるし、持ち運びもできるというのがスイッチの目玉機能です。もう少し細かく言うと、以下の3つの機能がスイッチが推している点です。
据置機モードと携帯機モードへ切り替え
画面シェアとコントローラー分割による対戦・協力プレイ
持ち寄ってのマルチプレイ
いかがでしょうか?
1つのゲーム機でここまで多様な遊び方ができるってすごくないですか!?
とにかくスイッチの推しは
据置機クォリティのゲームを
外でも持ち寄ってプレイできる
ということです。
スイッチが失敗する理由
失敗する理由1:スマホとの類似性
とにかく公式動画でもホームページでも、任天堂が推しているのは多様な遊び方。
外で、画面シェアして、コントローラーを分割して、マルチで。これがスイッチの全てです。
しかし、この遊び方って形は違えどスマホで実現できませんか?
1.外で
1人1台スマートフォンを所持する時代です。小中学生はともかく、たいていの高校生はスマホを所持しているでしょう。そのスマホには基本無料のゲームがたくさんインストールされています。つまり、多くの人が既に持ち運べるゲーム機を所持しているのです。
しかもそのスマホはもれなく全台インターネットに繋がっているのです。スマホゲームが圧倒的に優位な点はこれです。
2.画面シェアして
先ほど書いた通り、多くの人がスマホを所持している時代です。画面をシェアするどころか、個々の端末でそれぞれ同じ映像をみてプレイすることが可能なのです。
「距離も縮まる。」・・・
担当者もこう書くしかなかったことでしょう。
3.コントローラーを分割して
同上。個々のスマホそれぞれがコントローラーになるんですから。物理コントローラーという点においてもスマホ対応のコントローラーはたくさんあります。
ただ、スイッチのオリジナルとしては一つのコントローラーを分割してまるでファミコンのようなコントローラーにもできるし、Wiiリモコンのようにもできるという多様性です。
しかし、これは過去のコントローラーの統合であり下位互換ということにもなります。
スイッチは過去のアイデアの集大成であり、新しい遊び方は何一つ提供していないのです。
4.マルチで
スイッチの公式ホームページ。トップページに「8台までのマルチプレイ」と書かれています。台数はともかくとしてこの機能はDSやPSPと同等なもので、2017年にデカデカとトップページに書くほどの機能ではありません。
そしてこれは当然ローカルプレイです。
対してスマホは1台1台がインターネットに接続されています。近くの人でも遠くの人でもマルチプレイで繋がることができるのです。
(もちろんスイッチでもwi-fi経由でインターネット接続は可能ですが。)
「ちょっと待って!スマホと決定的に違う点があるじゃん!」
外で、画面シェアして、コントローラー分割して、マルチで。
これだけではスマホと差別化できません。
もちろんスマホと違う点もあります。
スイッチが違うのは、これを「据置機のクォリティでプレイできる」という点です。
そうです。これだけが唯一の強みなわけです。
「え!?めっちゃすごいじゃん!爆売れ確定じゃね?」って思いますか?
なりません。
外でガチのゲームをしたい層がどれほどいるでしょうか。スマホゲームが浸透しているのはその携帯性による手軽さやパーソナルなスペースを確保しやすいからです。
社会人の皆さん。
出張先へ向かう車中で↑こんなこと、できますか?
失敗する理由2:ローンチタイトルに”あれ”がない
本体と同時に発売されるソフト、いわゆるローンチタイトルが弱すぎます。いや、ゼルダという素晴らしいソフトがある以上”弱い”というとちょっと誤解を招きますね。訂正します。
正しく表現すると、”スイッチの魅力と噛み合ったローンチタイトルがない”、です。
スイッチの”推し”をもう一度おさらいします。
外で、画面シェアして、コントローラー分割して、マルチで。
そしてそれらを”据置機のクォリティでできる”のがニンテンドースイッチです。
この機能が一番活きるソフトは何ですか?
マリオですか?ゼルダですか?
スプラトゥーンでしょう!!???
もしスイッチにワンチャンあるとすればスプラトゥーン2がローンチで発売されること(もしくは1ベタ移植でもスイッチに対応させるか)だと思っていました。期待した方も多いでしょう。でもないのです。
ゼルダなんてもともとWiiUで開発されていたものです。それをスイッチとの縦マルチにしただけです。これがメインではスイッチの魅力を十分に伝えることはできません。
そこで投入されたのが「1-2-Switch」なのでしょうが、この手のソフトがすぐに飽きるのはWiiの「はじめてのWii」、WiiUの「ニンテンドーランド」で分かりきっていることです。
今回も牛の乳搾りをして、一瞬「すごーーーい!!」となっても数日後に「・・・で?」となるのは目に見えています。
これが様々な新しい遊び方をプレイヤーに想像させるものであれば期待は膨らみますが、任天堂が絞りに絞って出したアイデアが文字通りの乳搾りやコップの中の氷の感触です。果たして今後、この機能を使って面白いゲームが生まれるでしょうか。
「こんな機能つくったよ!あとはサードでアイデアお願いね!」
WiiUの時と同じです。
↑サード製でWiiUコントローラーをうまく使った数少ない作品の一つ、「ゾンビU」
皆で囲んでプレイするという点でボンバーマンは良いローンチと言えるかもしれません。
しかし、”旬”を考えるとベストとは言えないでしょう。
間違いなくスプラトゥーンがベストでした。WiiU唯一の功績であり遺産とも言えるスプラトゥーンをローンチとして準備できなかったことは致命的でしょう。
(ドラゴンクエストヒーローズなどの移植はローンチとして強い、弱いという評価は言うまでもないので割愛します)
失敗する理由3:何1つない新しさ。全てが後手では追い越せない。
決定的なのはこれです。先に述べた「理由1」「理由2」は捉え方によっては批判される方もいるでしょう。私の感想に近い意見ですから。
しかし、この理由3は客観的であり決定的です。
スイッチには何1つ新しいものがない。
過去のゲーム機を統合しただけ。
これが失敗する「理由3」です。
シェア、VR。「追いつく」と「追い越こす」は紙一重ではない
PS4が大成功を収めた理由は間違いなくシェア機能です。感動をシェアするという新しい遊び方を提供したのがPS4です。
そして過去のゲーム機にない体験を提供しているのがVR。現段階で成功したとも言えませんが、先行して挑戦しているのは確かです。
ニンテンドースイッチにもシェア機能は搭載されるようです。Miiverseのようにやたら重たいソフトを開いて、限られたネットワークにしかシェアできないるようなどうしようもないシェア機能にはならないと思いますが、詳細は不明です。
いずれにしてもPS4によって”当たり前”になってしまったシェア機能を後から対応させるのです。追いつくことはできても追い越すことはできないでしょう。
それはVRも同じです。現代のトレンドに追いつくことはできても追い越すことはできないでしょう。
追いついたとしても・・・
シェア、VR。PS4と同様の機能を搭載して追いつこうとしているなら、既にソフトが充実しているPS4を買うほうが間違いなくお得です。
発売から3年も経ったPS4では名作と呼ばれるソフトをベスト版や中古などで格安で購入することができるし、現在進行形で続々とソフトは開発されています。
先日、ドラクエ10のWii版サービスの終了が発表されました。果たしてWiiユーザーはどこへ向かうのでしょうか。
スイッチでしかできない”新しいもの”がない限り、先行しているPS4を追い越すことはできないのです。
”新しいもの”は価値あるものでなければならない
「ちょっと待って!コントローラーのHD振動って新しいじゃん!?」
そうですね。このコントローラーのHD振動機能はコップの中の氷の個数がわかったり、牛の乳絞りをしてる感覚が伝わって来るそうです。
しかし「理由2」で書いたように
「おぉぉ!コップに3個氷が入っていくのがわかる!すげーーー!!!」
「・・・・・・・・それで?」
こうなるのは目に見えています。
新しいだけではダメなのです。それが面白いものでなければ意味がないのです。
これはWiiUのゲームパッドで証明してしまってます。
そもそもこれ、”新しい”と言えるのでしょうか。
コントローラーの振動という点では2000年頃のデュアルショックや64振動パックの延長線上ではないでしょうか。これを”売り”にしている時点で今回のハードで”他に売り込む点がない”ということです。
終わりに
今回の記事を執筆しているのが3月1日。発売は3月3日です。
皆さんの周りはスイッチの話題で持ちきりですか?ツイッターのタイムラインはどうですか?
聞くまでもないかもしれませんが、少なくとも私のまわりでは話題にすら上がっていません。
こんな批判的な記事を書きましたが、このスイッチが「すごい」のは確かです。据置から携帯への形状変化、それに伴う遊び方の多様性。コントローラーの形状変化。新しさはなくとも過去のゲーム機の遊び方を統合したという点では確かにすごいと言えるでしょう。
しかし私が言いたいことは「すごい」と「楽しい」は違うのではないかということです。
そして「すごい」と「売れる」もまた違うのです。
スイッチについて、あなたはどう思いますか?
私は自分の目で確かめます。